イタリア旅行記 その⑩(ローマⅢ)

イタリア旅行記 その⑩(ローマⅢ)

平成14年(2002年)8月9日~16

(記録)令和5年(2023年)3月

  (更新)   令和5年  (2023年)  5月

(追記)令和5年(2023年)6月

takachan

 

午後からのフリータイムは、観光&ショッピングの本番だ。

テルミニ駅を抜けてサンタマリア・マッジョーレ教会を正面から見て内部へ。入口から両側に並ぶのは懺悔(ざんげ)のための小部屋。教会のおごそかな内部空間から外へ出て、ふたたび暑い日差しの中へ。   

 サンタマリア・マッジョーレ教会、内部

同 上、ステンドグラス
-手ぶれ気味ご容赦-

ショッピングはupimローマでウォッチングの後、ローマ三越へ。しっかり買い物をする。共和国広場からサンタマリア・インアラチェリ教会へ。外の喧騒がうそのような、シーンとした空間。別世界だ。こころをしっとりと落ち着かせて、再び外へ。

ローマ市内、商業エリアの一角

共和国広場
-ネット検索-

同 広場内の、ナイアディの噴水
-同上-

サンタマリア・インアラチェリ教会
-同上-

渋滞する車の列をぬって、テルミニ駅地下のスーパーへ。今日の夕食はサンドウィッチ、生ハム、&ジュースといった手軽な食べ物を購入してホテルの部屋で済ませ、お腹を休めることにする。

街角の、出店

夕刻ふたたびローマの市街散策に。テルミニ駅裏の古い街並みをそぞろ歩いていく・・・。現れた立派な建物は大蔵省(アトで確認した)、何とも不思議な建物はアンジェリ教会うらの僧房か・・・(これもアトで確認したら、国立博物館)。ディオクレティアヌス帝浴場跡をぬけ、ふたたび駅前広場へ・・・。

駅裏の、ローマの街並み

ディオクレティアヌス帝 浴場跡
-だいぶ日が暮れてきた-

同 上、現地案内板

テルマエロマエ(2013年作品)
-ローマ人も日本人も、お風呂好き!-

(追記)NHK文化センター青山アカデミー特別講座「古代ローマと江戸の比較史」講師:東京大学名誉教授 本村凌ニ氏(2023.7.7)より・・・古代ローマと江戸は1000数百年の年代差がありながら、様々な視点からの共通点の多さに驚く。「ローマ人も日本人もお風呂好き」の背景には「清潔好き」という共通の性向だけでなく、かたや アッピア水道(17km)を引いたローマ、玉川上水(43Km)を引いた江戸。  いずれも良質な上水道というインフラを重視して、造成したという共通点がその基盤になっている。

またローマの「コロッセウム」は戦車競走や剣闘士などといった、平和な時代に為政者が大衆に提供する「娯楽の場」であった。これに対し江戸において為政者が提供した「娯楽イベント」は何だったか?それは千本桜すなわち「花見」の演出や、夏の大川(隅田川)端での「花火」ではなかったか。・・・その他、興味深い共通点が多々あるのだが、そもそも各時代の創始者である「アウグストゥス」と「徳川家康」に、共通する資質があったのではないかという視点にたつと興味深いものがある。

アウグストゥスカエサルという絶対強者亡きあと、慎重かつ堅実にそれを継承しパクスロマーナを実現した為政者(初代皇帝)であった。これに対し徳川家康も、織田信長豊臣秀吉という絶対強者亡きあと、その遺産を受継ぎかつ是正して平和な時代を築いた名君(初代将軍)ということが言える。今年のNHK大河ドラマの「どうする家康」の一見弱々しい家康像も、そうした観点からみるとまた面白いものになるだろう。(「テルマエと浮世風呂古代ローマと大江戸日本の比較史」本村凌二NHK出版新書)

テルミニ駅地下のショッピングゾーンにもぐり、CDショップで女性歌手のCDを購入(ジャケットが気に入った)、&土産物屋でマグカップなどを購入。ホテル・マディソンわきのBar(バール)で、地元のイタリア人たちにまじってエスプレッソタイム。立ったままいただくエスプレッソがこちらの流儀、ちょっとした充実感を味わう!

購入した女性歌手のCD
-ラップ調のポップな曲-

ホテル・マディソンわきのBar(バール)
-手振れご容赦-

エスプレッソ・コーヒー
-ネット検索-

(付録④)ふたたび塩野七生氏の描いた古代ローマの世界からその一節「ローマ人の物語 ローマは一日にして成らず」より・・・古代ローマ帝国の興隆の要因についての三人のギリシャ人の指摘から、プルタルコスいわく、(それは)敗者でさえも自分たちと同化する彼らの生き方においてほかにない。これらはいずれも、古代では異例であったというしかないローマ人の開放的な性向を反映している・・・。 

(付録⑤)NHK文化センター カルチャー講座 上智大学名誉教授 豊田浩志氏の講演(令和5年1月)「古代ローマ遺跡の最新事情」より:新型コロナ禍による二年間の空白期における新発掘などの成果のひとつは、ローマ・フィウミチーノ空港内の船舶博物館の新装開館。ここでは19581965にかけての空港建設時に発見された、AD2~3世紀の古代ローマ時代の5隻の船が展示されている。港で積んだ荷物をテベレ河を遡行してローマ市内へ運んだ平底船と、中央に生け簀を置いた二人乗りの漁船が発見されている。(豊田先生はこの春にイタリアへ渡り、新装開館された博物館を視察されるとのこと。)

(付録⑥)NHK文化センター カルチャー講座 上智大学名誉教授 豊田浩志氏の講演(令和5年5月)付録⑤豊田先生のイタリア出張の結果ご報告:ローマ・フィウミチーノ空港内の船舶博物館の視察、展示されているローマ時代の「沈船」が発見された同時代の港湾(クラウディウス港:AD1世紀)の遺跡の視察などの結果をご報告いただいた。最新の発掘結果はそれまでの疑問点を解決するだけではなく、むしろ新たな謎を生み出す結果にもなっている・・・とのことで、こうした歴史・考古学の果てしないロマンのようなものを感じる講座であった。そのほかポンペイでの発掘最新情報についてもお話があった。(ちなみに発掘作業にはEUから資金が出ており、ヨーロッパ各国の学者・研究者が参加しているとのこと)

つづく、次回その⑪(ローマⅣ)