ス ペ イ ン旅行記(付 カタールW杯観戦記)その⑧(マドリードⅢ)

ス ペ イ ン旅行記付 カタールW杯観戦記)その⑧(マドリードⅢ)

平成25年(2013年)8月17日~24日

令和4年(2022年)11~12月 

(23日)朝のテレビニュースで、昨日のゲームのスコアはレアル5-0アル・サッドとのこと。レアル・マドリードの圧勝であった。朝食でみなさんと興奮を伝え合う。スタジアムからの帰りの集合時間に来なかった新婚さんは、「試合終了まで観ました」とのこと。「地下鉄も混んだけど、別にどうってことはなかったですよ」と。なあんだ、そうだったのか・・・。

インタビューに答える、ラウール
(ホテルのTV画面より)

 今日は帰国の日。荷物を整理しバスで、マドリード空港へ。空港内のサッカーショップは、やはりレアル一色だ。

空港内の、レアルマドリード・ショップ

 ミュンヘン経由のルフトハンザで帰国の途に就く。素晴らしい旅でした。

スペイン最高!! 

スペイン土産

 

カタールW杯決勝トーナメント準々決勝、12月9~10日。勝ち進んだのはクロアチア、アルゼンチン、モロッコ、フランスの4か国であった。日本をPK戦で制したクロアチアは、優勝候補筆頭のブラジルをも延長・PK戦の末に下したのだ。延長前半の終了間際にネイマールの技ありのゴールが決まった時、世界中の多くの人たちが勝者はやはりブラジルかと思ったに違いない。最後まで諦めない、と口で言うのは簡単だ。しかしそれを見事に体現してみせたのがクロアチアの選手たちであった。延長後半も半ば過ぎ、自陣からのモドリッチのパスから始まった逆襲の一撃が見事に決まり、同点・PK戦へ。半端ではないプレッシャーのかかる中、そのPK戦をものにしたのはクロアチアであった。(PK戦での勝ち上がりは、準優勝を飾った前回ロシア大会での2回を合わせて4回目) PK戦は運だから・・と敗者になぐさめをいうことも果たして・・・、と思わずにはいられないクロアチアの強さである。クロアチアの準決勝での相手は、メッシ擁するアルゼンチンである。その結果を楽しみに見守りたい。)

 

 (カタールW杯準決勝第1試合(12月14日)のカードはクロアチアvsアルゼンチン。結果は3-0でアルゼンチンの勝利。このW杯が自身最後のW杯と公言している35歳メッシの大活躍(得点1(PK)、アシスト1)の前に、クロアチアの健闘実らずという結果であった。特に、3点目となったゴールをアシストしたメッシのドリブルの切れ味は圧巻であった。ここぞという攻撃の場面以外は、守備もほとんどせず歩くようにしているメッシであったが、若いメンバーたちがその分走り回って彼を支えるというパターンが今回のアルゼンチンの強さ。モドリッチを中心にここまで粘り強く勝ち上がってきた前回大会準優勝のクロアチアであったが、今回はアルゼンチンの前に涙を呑む結果となったのであった。

メッシ&モドリッチ(準決勝第1試合)  

  準決勝第2試合(12月15日)は、モロッコvsフランスのカード。結果は2-0でフランスの勝利。アフリカ勢初のベスト4に進んできたモロッコは、ここまでオウンゴールの1点以外無失点という固い守備をほこっていたが、フランスの攻撃はするどく試合開始早々の先制点を許してしまった。モロッコはその後も臆することなく互角の戦いを展開したが後半30分過ぎに追加点を奪われ、前回大会優勝国のフランスのまえに屈することとなった。この結果決勝戦の組合せは、前回大会優勝のフランスvs1986年メキシコ大会以来の優勝をねらうアルゼンチンとなった。得点王争いも、前回大会得点王のフランス 23歳エムバペ(これまで5点)対、絶好調のアルゼンチン メッシ(同 5点)という目のはなせない展開となっている。

ジルーの、先取点(準決勝第2試合) 

 

 決勝戦を前に行われた3位決定戦(12月18日)では、クロアチアがモロッコを2-1で下し銅メダルを獲得した。モドリッチをはじめとしたクロアチアの選手たちのスタミナと粘り強さが如何なく発揮された試合であった。日本がこれから目指していくべき理想の、一つの形を示してくれたといえそうだ。またアフリカ勢初のベスト4となったモロッコの活躍にも、大いなる敬意を示さねばならないだろう。)

3位の、クロアチア

カタールW杯決勝(12月19日)は、間違いなく歴史に残る素晴らしい試合となった。   結果は、延長戦を戦って3-3とアルゼンチン、フランスどちらも譲らぬ同スコア。PK戦の結果、4-2でアルゼンチンがフランスを下し、マラドーナを擁したメキシコ大会以来36年ぶりの優勝を飾った! 試合の前半メッシの決めたPKと、ケガから復帰出場したアルゼンチンのベテラン ディ・マリアの活躍もあって、いきなり2-0とアルゼンチンがリード。フランスにこれまでの良さが見られないまま時間が経過し、このままアルゼンチンの勝利かと思わせた後半35分過ぎ、フランスが得たPKをエムバペが決めてスコアは1点差に。そしてその1分後には、中盤でメッシから奪ったボールをつなげてエムバペの強烈なボレーシュートが決まり同点。勝敗の行方がまったく分からないすさまじい展開となった。  

得点王 エムバペの、同点ゴール  

 延長戦に入って一歩先に出たのはまたしてもアルゼンチンだった。延長後半4分過ぎ、ゴール前で細かくつながったパスをメッシがゴールへ押し込み再びリードを奪う。これでさすがにアルゼンチンの勝利が近づいたかと思ったのもつかの間、今度は試合終了2分前にエムバペの放ったシュートがアルゼンチン・ディフェンダーのヒジに当たってフランスがPK獲得。エムバペが再びこれを決めてまたまた同点・・・。その後もロスタイムにお互い決定的なチャンスがおとずれるも、両ゴールキーパーの奮闘などでいずれも決まらず、ついにPK戦に突入した。

 

PK戦ではエムバペがこの試合3本目となるPKを、またメッシが同じく2本目となるPKを落ち着いて決め、互角の状態が続く。しかしその後フランスの選手が2本決められず、アルゼンチンの4人目が決めたところで決着となった。

PK戦を制した、アルゼンチン

 

 狂喜するアルゼンチンの選手たちと、グラウンドに立ち尽くすフランスの選手たち・・・。W杯の行方はこうしてアルゼンチンのもとへ・・・。この試合は観たであろう世界中の人びとに、等しく感動を与える素晴らしい試合であった。終わってみれば、スゴイ試合を3試合分観たような興奮と疲労感を覚えたのも私だけではないだろう。結局そのまま表彰セレモニーまで見続けて、ベッドに入ったのは午前4時をまわっていた・・。      

ワールドカップをかかげる、アルゼンチン・メッシ

 こうして2022カタールW杯は、2006年以来5回目のW杯出場にして初めてそのタイトルを取ったアルゼンチン、メッシの大会としても記憶されることとなった。そして惜しくも準優勝となったフランスにも次のヒーロー候補として強烈な印象を残したエムバペという若者がいた。今回おしくもベスト16で涙を飲んだ日本も、そうした世界のサッカーの大きな潮流の中へ躍り出る日が来るよう、ますますの発展を期待しよう!)   

(2022カタールW杯観戦記 完)

 

つづく(次回、スペイン面白・写真編)