令和5年(2023年)4月17日~19日
追記:令和6年1月
takachan
先日(1日)の石川県能登沖での大きな地震により被災された方々をはじめ、石川県民の皆様にこころよりお見舞いを申し上げます。
加賀屋さんにおかれましてもホテル施設及び周辺インフラの損傷のため、1月中の休業を余儀なくされたとのこと。一日も早い復興をお祈りしております。
再びバスに乗りいよいよ和倉温泉の加賀屋へ向かう。
途中「のと里山海道(さとやまかいどう)」から有名な「千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイ」に入る。TVドラマやCMのロケなどで砂浜の波打ち際を車が突っ走るシーンによく使われる場所だ。
稲垣さんの解説によると、波の浸食によって砂浜の幅が年々狭まってきているとのことで、自治体による「砂を入れるプロジェクト」もあるがはたしてどうなっていくのか・・・とのこと。
自然相手でどこまで保全が可能なのか、人間の知恵のみせどころといったところか。まさに波打ち際をバスが走る、チョットした冒険気分というかふだん経験できないワクワク感を味わう。
ちなみに、以前は本当に波打ち際を走った時期もあったが、さすがに海水の飛沫で車体の痛みがひどいためやめたとのこと。
このあたりはブドウ(ルビーロマン🍇)の名産地ということで、毎年初摘みの入札が話題になるそうだ。バスガイドさんの解説では、昨年は加賀屋が創業111周年を記念して111万円で落札したとのこと。そのブドウはもちろん宿泊客に振舞われたということだ。
そのほかこの地域の名産品としては干し柿(陸のカキ)と牡蠣の養殖(海のカキ)が有名。
またこのあたりの羽咋(はくい)市はUFOの目撃者か多い!?ことでも有名とのこと。なんともユニークなところだ。
能登半島の「ノト」は、かつてここにいたアイヌの人達の言葉(のっと:突き出ている、という意)がもとになるとの解説も。
加賀屋に到着した!!旅館のスタッフの皆さんから「いらっしゃいませ」のご挨拶を受ける。
ロビーにすわるとさっそく抹茶とお菓子のサービスが。「おもてなし」の根本は、ご挨拶と笑顔(マスクごしなれど)から、ということだ。
泊まるお部屋は「能登渚亭」の広―い(3部屋構成)お部屋だ。(我が家(マンション)より広いのでは!?)オーシャンビューの眺望が素晴らしい!
担当の中居さんはキビキビとした若い女性だ。旅館というとなんとなく若干年配の中居さんをイメージしてしまうのだが、こちらでは毎年30人~の新人スタッフを採用して教育しているとのこと。加賀屋の盛況ぶりを感じる。
それでも新型コロナ禍では苦労をされたのだろうが、ここへきて国内はもちろんインバウンドの海外客も戻り始めておりそれがスタッフの皆さんの高揚感にもつながっているのだろう。
それにしても「挨拶」の徹底ぶりはさすがだ。すれ違うすべてのスタッフ(事務係、浴場係、清掃員・・)から気持ち良いご挨拶の言葉がかけられる。
各種イベントも充実、館内の「美術品めぐり」があるとのことでさっそく食事前のツアーに参加する。
まず最初は3階に設置された能舞台から見学する。
加賀藩100万石の前田家は有力外様大名として幕府になんら敵対することなく、その証拠に文化的側面に力を入れている・・・・という姿勢を示したのがその原点ということだ。(ツアースタッフの解説より)
館内の壁やガラスケースの中に展示されているのは、有名作家による焼物、絵画、着物などなど。
一例をあげれば、人間国宝:三代目徳田八十吉、同じく人間国宝:吉田美統による九谷焼などの焼物、文化功労者:三谷吾一の輪島塗の器、輪島塗による壁の装飾「天女の舞」は角偉三郎の作、人間国宝:木村雨山の加賀友禅「アラベスク」は先代女将が実際に着用していたものとのこと。
また加賀友禅の織物は、館内吹抜の壁や空間を鮮やかに飾る装飾としても存在感を発揮している。その他とても書ききれない。(ツアーもすべて廻れば3時間かかると)
ちょっとした興奮状態さめやらぬ中、入浴タイムに。男性は大浴場「恵比寿の湯」家内は「辨天の湯」へ。
なんと、大きな浴場内にはEVも完備。ゆったりとした展望風呂でホッと一息。露天風呂は雨ふりでチョッとだけ。
風呂上がりにはフリードリンクのマンゴージュース、美味しい!
部屋へ戻る途中にも美術品の数々、まさに「館内は美術館」状態。
食事は各部屋に中居さんが用意してくれる。加賀屋の懐石料理はさすがだ。なんといっても素材の良さ~その数の多さ、次は何が出てくるんだろうという期待感、まさに「料理人との対話」という言葉の通りだ!お酒は金沢の銘酒「黒帯」をいただく。
そういえば中居さんがつけてくれる火はマッチの火。ライターではなくマッチというところにも加賀屋の気配りの一端がみてとれる。
そういう中居さんにたずねると「大学ではバトミントンの選手でした」と。ところで中居さんは一人でいったい何部屋受け持つのか?聞きそびれてしまったが・・・。
外はあいにくの雨だが(歓楽街へ繰り出すわけにもいかない)、なによりも加賀屋の館内とすてきなお部屋にいるだけで大満足の夜を過ごさせてもらった。
追記:
今日(令和5年5月5日)読み終わった東野圭吾の小説「クスノキの番人」に印象的な一文があったのでご紹介してみよう。
主人公の伯母で箱根の著名旅館の責任者だった女性が語った言葉だ「・・・つまり自分がしてほしいと思うことをお客様にもしてさしあげる。それがサービスの基本だと改めて思い知ったのです。以後迷った時には、それを第一に考えるようになりました」
おそらく加賀屋で引き継がれてきた精神にも通じるものがあるように感じた次第であるが、いかがであろう。
なお「クスノキの番人」は、現在書店での売行きNO.1ということで山積みされています。
つづく、次回その④(加賀屋Ⅱ、氷見海岸、富山湾寿司)