沖縄旅行記 その⑦(番外編Ⅲ:2000年沖縄サミット会場、警備関連事業 現地敷設)

沖縄旅行記 その⑦(番外編Ⅲ:2000年沖縄サミット会場、警備関連事業 現地敷設)

平成11年(1999年)~平成12年(2000年)

記録 令和6年(2024年)8月

takachan

サミット会場がある、ブセナリゾート

サミット会場の、万国津梁館(ブセナリゾート内)

同 上(上空から)

平成12年(2000年)6月に入り、いよいよブセナリゾート後背地でのワイヤセンサ敷設工事に着手。土木工事に地元大手ゼネコンのK場組の力を借りながら、敷設完了は6月末。KS社の現地隊長はIK君(icchan)だ。

センサ敷設 位置図(赤いライン2000m)

ワイヤサンサ 敷設状況
-ピンボケご容赦-

同 上

同時にセンサの検知反応の実証作業、すなわち本番に備えた「誤動作」の有無の検証に入った。実はこれがたいへんに難航する作業となった。

想定される風雨、枝葉の接触などによる「誤動作」は基本的には発生しないものの、センサをオン状態にしたまましばらく時間を経過させると、一日に何度か「原因不明」の「発報」が発生するのだ。

中央監視盤でどのセンサユニットが「発報」したかがわかるため、その箇所の点検に向かう。原因が、例えば接続不良によるものなど、施工の不良によるものも見つかりこれを補修する。(接続不良の場合切断されたと同じ効果で「発報」する)

こうした懸命の作業により、初期段階での「誤動作」の発生頻度を減らして本番に備えていったわけであるが、実はこれがなかなか「ゼロ」にはならなかったのだ。

警察官を実際に待機させての、センサ稼働状態のテストも行われた。(現場に配置される警察官の隊長は、沖縄県警のI浦警部)

ちょうどその作業期間であった7/5には、台風4号が沖縄をかすめ激しい風雨となったが、その際の 「誤動作」は「ゼロ」。これに対し、沖縄県警からは高い評価をいただいた。

沖縄に接近した、台風

そしてその後の出来事から一つ。昼過ぎの時間帯、 ワイヤセンサ2000mのほぼ中間地点での「発報」あり。待機していた警察官とともにブッシュの中を 分け入ってその箇所へ。

するとなんと大きな「ヤギ」が、ワイヤを鼻先で押し上げて柵の中へ入ろうとしているではないか。「あれは我々が泊っている民宿のおじいさんが放し飼いしているヤギだ!」と判明。

ヤ ギ

なるほどあの大きなヤギと人間との区別は難しいかもしれない。「これは仕方がないねえ」と担当の警察官。どうもヤギのえさ場となる草地が、柵の中にあって入ろうとしたようだ。笑い話のような本当の話だ。

同じく現場をおさえての確認は出来なかったものの、大きな「イノシシ」が多いというエリアもあった。 確認しようと人が近づけば、イノシシは隠れて出てこないので検証はできない。

イノシシ

そのほかにも想定外の外乱要因がある可能性も否定できない。「原因不明」の「発報」は、その後も頻度は激減したとはいえ「ゼロ」にはならなかった。

しかしながらこうした状況を待機中の警察官らと一緒に体験できたということが実は大切なことであった。

本番が近づき待機する警察官の人数も増えてくる中、沖縄県警のI浦隊長からは「この程度の発報の頻度なら、たまにはタルんでいる警察官の出動訓練にもなって緊張感が保てるからむしろちょうどいいよ」という有難いというか若干自虐的なコメントをいただいた。

いよいよサミットの本番が近づいてきた・・・。

つづく、その⑧(番外編Ⅳ:2000年沖縄サミット会場、警備関連事業 サミット本番)

(KS社は、現在(2024年)は営業しておりません) 

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